いつもの風景 

 

 俺は、屋上からの景色を眺めていた。

この学校に入学して、すぐに見つけたお気に入りのスポットだ。

「あーあサクラはもう、散っちまったか。さてと、そろそろ教室に戻るか」

俺は、結構早くに学校に来る習慣があるので、教室に居ても楽しくはないのだ。

 

教室に行くと大体の生徒が集まっていた。

俺も、話に参加することにした。

「いよう」

「おう、永田。そうだ、この前の話なんだが」

などという話題から始まり、盛り上がってきたところで、

「皆さん。グッドモーニング」

空気というものを知らない男が来た。とりあえず話しかける。

「よっ河野(こうの)じゃないか。オッハー」

「オッハーって、お前いつの時代の人間だ」

うん。さすがに古すぎるな。しかし、お前に合わせてやったんだぞ。

「まぁ・・・気にするな」

「ハハハそうだな。」

 

―こいつは、河野 仁(こうの じん)こいつとは中一の時からの親友で意外と気が合う。

女好きという性格にはあきれるが…まぁ、女好きであって、女にモテるという訳ではない。

ちなみに、俺の名前は 永田 誠人 (ながた まさと)緑川高校一年

(みどりかわという名前にしては結構都会だ。)

成績はトップ。運動もけっこうできる。まるで、マンガや小説の主人公だ。―

 

「――おい…おい!」

「んぁ、な、なんだ?」

「なんだじゃないだろ。ボ〜ッとして」

「あぁすまん、説明してたんだ」

「はぁ、まぁいいや。なぁ、だれかいい女いないか。お前なら一人ぐらい居るだ

ろ」

早速それか、お前は。

「お前はそればっかり…」

俺は深くため息をつく。

その時、チャイムが鳴った。

 

いわゆる普通の毎日というやつだ。何の変哲もない、中学のときとなんら変わりのない毎日。

放課後。そして、下校途中。

「なぁ、永田。朝話したことだけどさー」

「…なんだっけ」

「はぁ、何忘れてるんだよ。ほら、俺にいい女を紹介するってやつだよ」

馬鹿につける薬は無い。と言うのは本当なのかもな。

「あぁ、それなら…」

俺は適当に名前を言う。

「佐藤なんてどうだ」

「よしわかった。佐藤だな」

次の日、河野のテンションは下がりっぱなしだった。

その後、佐藤さんとついでに河野への弁解を済ませた。

河野のやつ。かなり大変だったんだぞ。佐藤さんを説得するのは。

 

 

 

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